1973年6月21日(木)教育学部、自治会三役改選を公示。一文は当局へ公開質問状。

提供: 19721108
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【概要】

新執行部を選出するため、教育学部で自治会三役改選を公示した。すでに1月に専任教員会によって代表機関として認められた常任委員会の三役を、新入生を交えて新たに選出することで、運動の周知と基盤強化が図られることとなった。一文では、当局に対して直接対話を求める公開質問状が執行部名で出された。

【教育学部で自治会三役改選公示】

早稲田キャンパス181号によると「教育学部学生自治会三役(委員長・副委員長・書記)公選のための選挙活動が進められている。学部当局は新執行部が確立した時点で自治会を承認する(2.22書簡)という声明を発表しており、そのことにより学生大会でリコールされた後にも常任委員会を名乗る革マル派の教育学部における存在基盤を完全に否定するものとしてこの選挙は位置づけられる」とある。
教育学部における自治会をめぐる動きの大筋は次のようである。
1972.11.29 22号館301教室で学生大会。臨執36人を選出
12.6 クラス委員総会により、常任委員会(永井友則委員長)選出
1973.1.23 専任教員会が「常任委員会(永井友則委員長)を自治会問題を話し合う唯一の代表として認める」ことを決定
1.24 学部団交
1.25 学生大会。10日間ストを決議
2.2 再団交
2.3 学生大会。10日間ストに続きストライキ続行を決議
2.10 学部団交
2.14 ストライキ中止を主張する4年生有志が開催を呼びかけた学生大会不成立
3.6 学生大会で4月22日までのストを決議
3.9 学生大会流会
4.3 学部入学式に登場。革マルと小競り合い
4.23 学生大会不成立
5.11 クラス委員総会 ※10日という資料も
6.2 選挙管理委員会結成
6.4 三役選挙公示
6.8 三役立会演説会断念
6.23 三役選挙再度公示 ※早稲田キャンパスでは21日
教育学部選挙管理委員会発行の6月23日付の「教育選管ニュース」には22日に決定された改選スケジュールが明記されている。
6.23~ 立候補受付
  26  立候補〆切り11:30/立会演説会・不在者投票~3:00
  27~ 投票開始 10:00~3:00
7.2   投票〆切り12:30/1:00~公開開票・結果公示
この後、7月初旬に学生大会が予定された。
しかし、25日(編註:早稲田キャンパスによる)には三役立候補者2名が学内で暴行・監禁されるなど、革マルによる暴力的敵対とそれに呼応した当局の休講、ロックアウトにより再三妨害され、28日に16号館で立会演説会と投票が実施されたものの正式に成立しなかった。
その背景について、選挙管理委員会は総括の中で「その期間の長さにもかかわらず、立会演説会1回、学内投票所設置2回という活動しか許されませんでした。『選挙する』という公示を出しながら、立候補者の抱負をみなさんに明らかにすることも、また投票場所を保証することも非常に不十分でしかなかったと言わざるをえません」と述べ、各クラスの選管委員が、学内登場を妨害されるたびに消耗していった実情への理解を求めた。選挙結果は、全投票数936票(有効投票数928票)であった。
7月6日、三役選挙はやむなく後期へと延期された。


【一文当局への公開質問状】

6月21日付の一文自治会執行委員会(樋田委員長)名で当局に出された公開質問状がある。そこには、キャンパス登場の困難にふれた次のような記載がある。「いま大学は、革マル派の武装抑圧の中で、全ての学生が抑圧され、支配されようとしている。学館、11号館を私物化し、文学部では101教室、ミルクホール、01教室を占拠。5月19日に見られたような突然のバリケード、テロルを背景とした武装制圧、文学部検問体制、『今後クラス活動を一切行わない』というファシズム的な自己批判要求、6.13集会へ出たことだけで1年生を脅迫する彼等、クラ討介入、破壊、監視、これらが早稲田の現実です。このような状況の中で、これまで闘ってきた執行部・クラスの活動家・行動委を中心に少なくとも80数名の学生が早稲田に通うことすら出来ないでいます。」(一部表記修正)
質問は以下の7つ。
1.私達の自治会に対して5条件を撤回し、直ちに自治会室・自治会費等の問題を解決するように一貫して要求していますが、これについての現在的な見解を明らかにしてほしい。
2.川口君虐殺は管理強化の口実とされているが、私達は「11.17告示」の撤廃、三役処分の撤回等、学生自治の管理・介入に抗議しています。これについての見解を明らかにしてほしい。
3.80数名の学生が入れない状況の一方で、授業・試験だけは平常に行われているというこの事実に対して、どのように考えるかを明らかにしてほしい。
4.商学部、社会科学部当局が、わずか数人足らずのデッチあげ常任委員会に自治会費を横流しにしているという事実に対して見解を明らかにしてほしい。
5.現在の武装制圧下の中で革マル派は、旧常任委を含む早稲田祭実行委をデッチあげているが、私達一文自治会は、4月21日の学生大会で早稲田祭を担うことを決議しています。これに対して見解を明らかにしてほしい。
6.私達は今後、革マル派の敵対を断固はねのけつつも、自治委員選挙を大衆的に貫徹し、新執体制を確立します。これに対する見解を明らかにしてほしい。
7.私達は以上のような要求に応じるための団交を一貫して要求します。5.2、5.7さらに5.17を踏まえ、今後の学部団交、総長団交に関する見解を明らかにしてほしい。


【リンク】

教育 選管ニュース
自治会 クラス通信
教育 選挙管理委員会総括
第一文学部自治会執行委員会 公開質問状