1973年2月21日(水)政経学部長名で見解表明。
提供: 19721108
【概要】
- 19日からロックアウトになった本部では、政経学部が保田順三郎学部長の名前で「学生諸君へ」と題した見解と、それに伴う資料として「学友会問題の経緯」を示した。
【この日のできごと】
- ●政経学部は、正常化へ向けての見解を表明。
【大学人としての責任】
- 「春の雰囲気が感じられる季節になりました」という書き出しで始まる呼び掛けは「われわれにとって、早稲田は、大学はなんなのでしょうか?」と問いかけ、「大学においてなによりも求められるのは“学ぶ”という姿勢です」とし、「学生諸君。学問研究の場にふさわしい環境をつくるため、どうすべきかを考えていただきたい」と訴える。終始ですます調の呼び掛けの最後は次のように結ばれている。「学生諸君。どうか、学問の研究になんらかの形でたずさわる大学人であることを自覚して、責任ある言動をされるよう、切望する次第です。」
【学友会問題について】
- 政経学部では「自治会」という呼称を使わず「学友会」と呼び習わしており、学友会の再建は永年の課題であった。すなわち昭和43(1968)年に党派間の対立抗争で崩壊して以降、政経学部には正式な学友会はなかったのである。再建の試みはあったがいずれも成就せず、ひとまず当局が、昭和45(1970)年に学友会再建の見解を示すにとどまった。川口君の事件後、1972年11月30日の学生大会で暫定執行部が、12月7日のクラス委員総会で20名の新執行部が選出された折、新執行部承認の是非を巡って当局が示したのが、この時(1970年)のものである。
- 要点は次の5つ。
- ①学友会再建のための学生大会の召集は、学部在籍学生の3分の1以上の署名による要求に基づいておこなわれる。
- ②学生大会は、学部在籍学生の5分の1以上の出席によって成立する。
- ③学生大会で、学友会再建を学生投票することを出席学生の過半数で決議する。
- ④学生投票による学友会の再建の決定は、学部在籍学生の過半数の無記名投票と有効投票の過半数の同意によっておこなわれる。
- ⑤以上のような手続きを経て学友会の再建が決定された場合、学友会会則に定める手続きに準拠して学友会委員選挙を実施し、これによって選出された委員によって学友会委員会が組織され、ここに学友会が正式に発足することになる。
- こうした観点に立つ当局は、11月から12月にかけての新執行部選出の動きを次のように表現している。
- 「もっとも、昨年11月16日に一部の学生諸君が集会を開いて、『政経学友会臨時執行部』を作り、また今年の1月19日には他の一部の学生諸君が集会を開いて、『政経自治会再建執行委員会』を結成したと伝えられています。しかし、これらはいずれも学部の学生諸君一般を正式に代表する組織だと認められていません」。
- 先の1月31日の告示では「いま進められている学友会再建の動きについて、教授会は④の段階までは終わったものと考える」となっている。
- 入試によるロックアウト、春休みと、クラス単位の活動が分断されるこの時期、政経学部では学友会委員選挙の実施を新学期に持ち越せざるを得ない状況であった。
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