1973年10月22日(月)5.17被告団第3回公判で裁判長が検察側に起訴理由の釈明を要求

提供: 19721108
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【概要】

5.17被告団第3回公判が開かれた。裁判では、凶器準備集合罪の現行犯で逮捕したものの起訴の罪状は軽犯罪法違反であったことから、逮捕の妥当性が問われていた。前回に続いて逮捕の状況を明らかにすべく2名の証人が証言したが、明らかな食い違いが見られた。裁判長は検察側に、起訴事由を明らかにするよう釈明を求めた。

【検察側に異例の釈明要求…5.17被告団第3回公判】

5.17被告団第3回公判は当初9月16日に行われる予定だったが、被告の一人が三越襲撃事件で不当逮捕され22日間勾留されたため延期された。この日は、凶器準備集合罪で逮捕時の状況をめぐって被告人二人を逮捕した金子・鈴木両証人の証言を中心に進められた。
鈴木証人によると、二人を凶器準備集合罪で逮捕した理由は「鉄パイプを所持」「革マル粉砕を叫んでいた」「当日反革マル派が革マル派を攻撃するという情報があった」とした。しかしこれらは、凶器準備集合罪の条項にある「共同して第三者に危害を加える目的」に該当する具体的な事例を明らかにするものではなく、前回の萩原証人の発言と同じく曖昧な証言に終始した。また、位置的・時間的確認においては金子・鈴木両証人の証言に食い違いが見られ、逮捕の不当性がさらに浮き彫りになった。
最後に、裁判官から検察側に2点についての釈明要求がなされた。
1. 凶準の現行犯で逮捕しながら「正当な理由」の不充分性を認め撤回した姿勢は、消極的意味か、積極的意味か明らかにせよ。
2. 軽犯罪法適用の妥当性について釈明せよ。
この釈明要求は裁判としては異例ともいえるもの。この要求に対して検察官は、次回の公判までに文書で提出するとした。
(早稲田キャンパス184号)


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