1973年4月10日(火)革マルの代々木駅襲撃により三学部の学生大会流会。

提供: 19721108
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【概要】

学大開催を前に、代々木駅に集合した各学部のメンバーを武装した革マル派が襲撃。10数名が負傷し、三学部で予定されていた学大は流会となった。一文執行部は、午後3時に8号館で学生集会を開き400名が結集。「4.4、4.10連続鉄パイプ襲撃徹底糾弾」他の集会決議を行った。

【この日のできごと】

■代々木駅西口改札口に集結していた政経、一文、二文の学生に革マル50名が鉄パイプで襲撃、負傷者多数。予定された各学部学生大会は流会に。
◎8号館301教室で一文自治会執行委主催の学生集会400名参加、以下の集会決議をした。
・川口君虐殺徹底糾弾
・4/4/、4/10連続鉄パイプ襲撃徹底糾弾
・革マルの常任委僭称粉砕
・革マルの統一学大策動粉砕
・四月祭勝利、自主管理闘争貫徹


【代々木駅午前8時15分】

この日、午前の政経、午後の一文・二文の学生大会を前に、各学部のメンバーは代々木駅に結集してから大学に向かい、革マルの妨害を突破する計画だった。ところが、どこからか情報が漏れ、代々木駅に集まったメンバーに革マルが襲いかかった。
「代々木駅構内に、4月10日午前8時15分頃、当日予定されていた一文、二文、政経、教育(原文ママ)の各学部学生大会開催のため結集中の各学部学生約50人に対し、革マル派は鉄パイプで武装して襲撃を行った。革マル派は逃げおくれた学生(主要に女子)、あるいはたおれている学生の頭部を中心に乱打し、また駅の構外にも待ち伏せており、無差別に逃げる学生を襲った。そのため、10数名の負傷者が出るなどして付近は混乱し、逃げおくれた学生の中から警官に連行される者も出た。」(1973年4月10日付早稲田キャンパス176号/一部表記修正)
朝日新聞夕刊には襲撃の模様が詳しい。
「10日午前8時15分ごろ、東京都渋谷区代々木一丁目の国鉄代々木駅西口改札口の内側ホールに集まっていた約50人の学生グループに、ホームから木刀を持った約30人の学生風グループがかん声をあげてなぐりかかって乱闘になり、改札口付近にいたグループのうち2、3人が頭などに軽いけがをした。原宿署は現場付近にいた4人を任意同行して調べているが「早大の学生大会に行くところだ」というだけで、いずれも住所、氏名を黙秘している。この日、早大では第一文学部、政経、教育(原文ママ)の三学部で革マルと反革マルの両派が学生大会を呼びかけているところから、同署はこれに関係あるのではないか、とみている。」(1973年4月10日付朝日新聞夕刊)
また、後日の新執行部による「新入生連帯基調」のビラには次のような記述がある「明らかに革マルは計画的に、中心的なメンバーを狙いうちしたのであり、また11.8以前とその暴力的本質は何一つ変わっていないことが明らかになった。我々は限りなく寛容でありたいと思う。しかし、革マルが川口君虐殺を実践的に何一つ自己批判せず、さらに居直りのためにはテロ・リンチをも辞さないのだという、手段を選ばぬ『強盗の論理と倫理』を行使してくる限り、彼らを絶対に許すことはできない。川口君虐殺に対する一抹の呵責の念すら持ち合わせていない虐殺者=革マルによって流された多くの血を、我々は何としてでも彼らにつぐなわせねばならないだろう。」そして最後は「4.4、4.10鉄パイプ襲撃を、11.8川口君虐殺、1.19無差別テロと共に忘れるな! 反撃を準備せよ!」と結ばれている。
編註:この日学生大会が予定されていたのは一文・二文・政経の3学部。

【「激怒!」のビラ】

新2Dクラスからは「激怒!」と大書されたビラが出された。
「みなさん、目を大きく開き、耳をすませて、この事実に注目してほしい! 4月10日8時すぎ、学生大会実施のため代々木駅で集まっていた我々は、他大学の見たこともないような革マル派の鉄パイプ部隊に襲われた。彼らは、ホーム側からおそい、改札口のすぐ外にも、駅付近のガードにも待ち伏せて、逃げまどうボクらに鉄パイプでおそってきた。彼らは顔をひきつらせ、声をうわずらせ、その行為は、まさにテロ集団のそれであった。代々木駅付近はパニック状態となり、級友のY君ともチリヂリになり、安全を確認するすべもなく、ボクらは不安を抱きながら、夜電話で彼の負傷を知る。(中略)この無差別テロが決してY君だけでなく、ボクら一人ひとりに向けられて振り下ろされたものであることを、ハッキリ確認しよう。革マルの無差別テロはエスカレートしている。怒りを組織せよ!団結せよ!革マル徹底糾弾!革マル派のペテン的統一行動を拒否せよ!」

【学大は中止に】

襲撃後の様子について1973年4月10日付早稲田キャンパス176号の記事は次のように記す。「この襲撃は当日第一文学部に於いて開催を予定されていた学生大会を巡って、『統一学大』を主張する革マル派が、自治会系の学生の登場を阻止する目的で、組織的計画的に行われたものと考えられる。その後、四散した学生は午後3時頃、ようやく早大構内に入り、8号館で行われていた各学部集会に合流した。8号館301教室では一文自治会執行委主催の学生集会が開かれ、のべ400人が結集した。『川口君虐殺糾弾』『4.4 4.10鉄パイプ襲撃徹底糾弾』『革マル派の常任委僭称粉砕』『革マル派の統一学大策動粉砕』『四月祭勝利、自主管理闘争貫徹』などの集会決議をあげた。その後、同教室で全学の学生500名で『全学4.10テロ糾弾集会』が開かれ、続いて文学部キャンパスにデモ隊列が向かったが、機動隊に阻止された。一方文学部構内では統一行動・統一学大実行委(革マル派系)主催の学生集会が開かれ、394人が結集したと発表された。また第二文学部でも同様に学生集会が午後5時半より開かれ、126人が結集したと発表されている。なお、この日昼頃、『代々木駅早朝テロ糾弾』の集会を15号館で開こうとした学生に革マル派が介入し、集会は開かれなかった。またこの日に予定されていた学生大会は、自治会系、革マル派系共に定足数に達せず、そのため両者は共に4月中に再び学生大会の開催を予定している。」

【翌4.11の執行委員会のビラから】

「一文執行委は直接本部に結集してきた学友等と連絡をとった結果、革マル派のテロ専門・外人部隊が学内に数多く存在し(一文構内120名、文連120名、14号館30名、15号館30名)、彼らが全員鉄パイプなどで武装していることを確認した。このため、残念ながら一文構内で学大を追求することを断念し、午後3時から本部8号館301教室において学大への結集を呼びかけた。その結果、情宣の不足(一文において全くビラまきなどできなかったことなど)にもかかわらず約300名以上(5時段階253名在席)をかちとって、学生集会として6つの決議案と1つの補足決議案を圧倒的多数を持って採決していった。その後5時半、約400の隊列をもってデモンストレーションにうつったが、機動隊の規制にはばまれ。一文キャンパスには近づけなかった。」


【リンク】

4/10革マルによる早朝テロ徹底糾弾! 4.10学生集会決議要項 一文自治会執行委員会
激怒 旧1D
4/10学生大会議案書 一文執行委員会